
(クリックすると画像が大きくなります)
ウィリアム・ターナー(1775−1851)はイギリス
を代表する風景画家です。晩年になると、輪郭が
曖昧になり、光や大気をより幻想的に描くように
なります。当時はこうした抽象的な表現の理解者
は少なかったと言われています。

太陽の中に立つ天使(*1)はミカエルで、宗教画
ではよく剣を持って戦う姿で描かれます。その
左下には殺されたアベルの姿(*2)が、右下には
ホロフェルネス将軍の首を切り落とした女傑、
ユディトの姿(*3)が描かれているそうです。

……本来、聖書の別々の箇所ですが、どういう
意図で1枚の画に描いたのかを考えるのも楽し
いですよ。

(*1)黙示録19章
(*2)創世記4章
(*3)ユディト記13章(旧約外典)
(参考)
ヨハネの黙示録19章17〜18節
また見ていると、ひとりの御使が太陽の中に
立っていた。彼は、中空を飛んでいるすべて
の鳥にむかって、大声で叫んだ、「さあ、
神の大宴会に集まってこい。
そして、王たちの肉、将軍の肉、勇者の肉、
馬の肉、馬に乗っている者の肉、また、
すべての自由人と奴隷との肉、小さき者と
大いなる者との肉をくらえ」。
ラベル:会津若松教会
【関連する記事】
- ファンタジーの世界?「聖ミカエルとドラゴン」【ラファエロ・サンティ】1504年
- 「ヨブ記(挿絵)」【ウィリアム・ブレイク】1825年
- 「受 難」【アルフォンス・ミュシャ】1904年
- 「ゴルゴタ」【エドヴァルド・ムンク】1900年
- 〜まるで反抗期のマリア?〜「見よ、我は主のはしためなり(受胎告知)」【ロセッティ..
- 猛勉強中?いいえ、福音書記者マタイです【9世紀】
- 「キリストの降架」【ルーベンス】1614年〜〈フランダースの犬〉でネロが最後に見..
- 「聖マタイの召命」【ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ】1600年
- 「復活」【マティアス・グリューネヴァルト】1515年
- 「ヤコブの夢」【ウィリアム・ブレイク】1805年